ボレジョも節税?ハズレの舟券は経費なのか「雑所得」と「一時所得」

ハズレ舟券は経費?一時所得?雑所得?

ハズレ馬券のが経費になるかならないかみたいなのは有名なので知ってます!

今回はミカちゃんでもわかるようになるべく簡単に解説していきますね☆

競艇や競馬で得た払戻金(払い戻し)は基本的には一時所得になります。

ですが、有名な馬券裁判のように「雑所得」になるケースもあるんです。

まずは馬券裁判の復習からいってみましょう💡

馬券裁判(ハズレ馬券経費問題)

実際にあった「ハズレ馬券の代金が経費に認められた」という有名なケースでは、
パソコンソフトを利用してデータを分析し、多数のレースで多種類の馬券を継続的に購入していたケースでした。

これは競馬やってる人なら誰でも知ってるかも!

個々のレースで当たり外れする偶然性の影響を抑え、賭けたレース全体で
回収率を高めていくという周到な買い方というのが特徴でした。

馬券裁判のケースは機械的に馬券を購入していたのが争点でした。

この結果、所得税法上の所得区分は、当たり馬券しか経費にならない一時所得ではなく、
「雑所得」と認定され、ハズレ馬券の代金が経費として認められました。

この一件でハズレ馬券の経費化への突破口になりました。

この時は多くの競馬競艇ユーザーが湧いたのを覚えています。

ニュースとかでもやってました!

この一件から、現に国税庁通達でも扱いが変わっているほどです。
( 所得税基本通達34-1(注))

そんな馬券裁判ですが、今度は『舟券』で税金バトルが起こりました。

舟券裁判勃発!荒れるハズレ舟券の扱い

競艇でも馬券裁判あったんですね❓

そうです!今回はミカちゃんにとってはいい結果じゃないかも…


裁決書によると今回の被告は、競艇で払戻金を受け取っていたが、
舟券等の購入費用が大きく所得税の申告をしていなかった。

チュートリアルの徳井さんみたいですね(笑)

税務署はそこへ目を付け、追徴課税したことで争いとなりました。

審理した国税不服審判所が改めて調査してまとめたところによると、
被告のボートレースへの「投資」は、平均して1日に2レースから3レース程度。

「情報分析」といってもレースの都度、テレビ等から得られる情報を基にかけるレースの舟券等を選択。

つまり、パソコンなど利用するまでもない自分の判断で、購入した個々の舟券を的中させて払戻金を得ようと意図した購入方法だった。

馬券裁判のようにすべてのレースで舟券を購入していたような
大量で網羅的な購入状況は認められなかった。

こういった理由から、国税不服審判所はA氏の「舟券の払戻金に係る所得は、
営利を目的とする継続的行為から生じた所得には該当しない」として
ハズレ舟券の経費化は否定されました。

この場合は雑所得ではなく一時所得になります💡

雑所得と一時所得とは

難しい話になってきちゃったので出来る限り簡潔にまとめてみます!

一時所得

(所得税法34条1項)
「一時所得」とは、利子所得、配当所得、不動産所得、
事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び
譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から
生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は
資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。

  • 「給与所得」(サラリーマンの給料、賞与など)
  • 「事業所得」(製造業、小売業、サービス業、農業など各種事業に基づくもの)
  • 「譲渡所得」(土地建物やゴルフ会員権といった資産の譲渡に基づくもの)
    など、典型的な8種類の所得に該当せず
  • 「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外」
  • 「労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないもの」

【雑所得】

所得税法35条1項)
「雑所得」とは、利子所得、配当所得、不動産所得、
事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び
一時所得のいずれにも該当しない所得をいう。

  • 以上の9つの所得のいずれにも当たらないもの

もうちょっとわかんないです…

一時所得雑所得とを分かつ重要な基準が、
「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外」のものか否かという点です。

競艇や競馬の払戻金も「営利目的の継続的行為から生じた所得」ということであれば雑所得となり、
外れ馬券の購入費も経費として認められます。

稼ぐためならハズレの舟券も経費になるってこと?

雑所得の条件以外」ということであれば一時所得となるので基本的に経費は認められません。

国税庁は税務署ごとに判断のバラつきが出ないようにするため、
「通達」と呼ばれる統一的な解釈基準を定めています。

雑所得と一時所得の違いがよくわかりません(泣)

一時所得の例

  • 競馬や競輪の払戻金
  • 懸賞や福引の賞金品
  • 生命保険の一時金や損害保険の満期返戻金
  • 賃貸物件の立退料
  • 売買契約解除時の手付倍戻し
  • 落し物を拾って届けた者が落し主から得る報労金
  • 法人から贈与された金品(個人からの場合は贈与税)

一時所得っていうのは偶然性が高かったり、単発的なものが多くて、
継続的に多数回にわたって馬券や舟券を大量に購入して、次から次へと
払戻金を得るといったケースなど想定されていませんでした。

雑所得の例

  • 公的年金
  • 営業以外の貸金の利子
  • 作家など著述業以外の人が得る原稿料や講演料

こういった通達を前提に考えると、競馬や競艇の払戻金は雑所得ではなく、
一時所得ということになります。

まとめ

雑所得であれば、「必要経費を控除」することができる(所得税法35条2項2号)


一時所得であれば、「その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額しか控除できません(所得税法34条2項)

一時所得はその収入を得るために支出した金額しか経費として認められないので
ハズレ馬券や舟券は経費として扱うことができないということになります。

・一時所得だとハズレ馬券は経費にならない
・雑所得だと必要経費として控除することができます

雑所得と一時所得にかかる税金の割合

雑所得として認められた場合の負担額

雑所得の場合は必要経費が認められます。
計算式は下記のとおりです。

「払戻額」-「必要経費」=「課税対象額

所得税の速算表

課税される所得金額税率控除額
195万円以下5%0円
195万円超330万円以下10%97,500円
330万円超695万円以下20%427,500円
695万円超900万円以下23%636,000円
900万円超1,800万円以下33%1,536,000円

雑所得の税率は超累進課税の所得税と一緒なので4000万円以上は上限45%かもしれません。

仮に年間の払戻額が1億円、必要経費5000万円の場合は
5000万円が課税対象額なので2250万円が所得税として支払う税金になります。

払戻額が一時所得の場合

一時所得は50万円の控除があります。

「総払戻額」必要経費「50万円(特別控除額」=「課税対象額

50万控除あるなら一時所得の方がよくないですか?

一時所得は営利による収入ではないので、さっきの舟券裁判みたいに
直接収入を生み出した経費しか認められないのです。

たとえば、競馬でレースを的中させて収入を得たケースで解説しましょう。

的中させて配当金を得たレースの舟券に関しては、
直接収入を生み出すために使ったお金ですので経費として認められます。

逆に言うと、他の外したレースの馬券については経費とならないのです。

一見、外れた分も経費に入れても良さそうなものですが、
直接収入を生み出しているわけではありませんので除外されてしまいます。

毎日必ず当たる保証はないのでボートの払戻は雑所得にしたほうがお得ですね!

一時所得は経費という面では不利な点がありますが、他の面では高い節税効果を生み出すことがあります。

一時所得の税額の計算をする際には、所得額を一度1/2にしてから税率をかけるという方法を採用するからです。

最終的な税額が他の税金の額よりも安くなることもあるので
詳しくは税理士さんに相談してみてくださいね。

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